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調子に乗りすぎて連投・二本目 ↓
きゃはは、と甲高い笑い声を上げて廊下を走り去る集団をひらりとかわして、佳主馬はため息をついた。
年齢よりもずっと老成してしまった、というか、冷めた目がはしゃぐ同級生を呆れたように見送った、次の瞬間かっと見開かれ、ついでにほとんど言葉を発することのない口がぱかっと大きく開いた。
「先生!」
「はい?」
突如突き当たりににょっきりと生えた小磯先生は、勢い余って角を曲がり切れずにスリップした生徒を受け止めて、「ひえあぁああぁああ…」という何とも間延びした悲鳴とともに、今しがた上ってきた階段を転げ落ちていった。
「池沢くん手慣れてるねえ。」
ぐるぐると包帯を巻かれる左手を見ながら、健二は感心したような声で呟いた。
「………結構普段から怪我するから。」
「あ、そうか。格闘技だもんね、少林寺拳法も。」
池田屋もかくや、という階段落ちを披露した健二だったが、奇跡的に左手首の軽い捻挫だけで他はほとんど何の怪我もなかった。が、一緒に落ちた女生徒の方が恐怖で目を回してしまったので、救急車を呼ばなければ、養護の先生はどこだ、え、今日会議だって言ってたから留守だと思うんですけど、と半分パニック状態で、教師はみなそっちへ気がいってしまっている。
佳主馬は細い体の上からその女生徒がどかされたとたん健二に駆け寄り、腰と膝の裏に手を入れて持ち上げようと
して、一瞬ぴしりと固まってから、きょとんとしている健二を肩に担ぎ上げてよろよろと歩き出した。
『わ、わ、い、池沢くん!大丈夫、歩けるから下ろして!』
『いやだ。』
『ええ!?』
下手に暴れると共倒れになりかねないと思った健二は強く反発することもできず、結局保健室まで担がれてしまった。
で、至る現在。
「先生、注意力なさすぎ。」
「う…」
「あれくらい踏ん張れないの。なんでいっしょに落ちるの。」
「いや、………はい、仰る通りです。」
たはは、と苦笑いを浮かべて左手首をさする健二を見て、佳主馬の眉がぎゅっと寄った。
「……心臓、止まるかと思った。」
責める言葉よりもずっと小さく、弱く響いたその声に、健二は口を開けたまま何も言えずに佳主馬を見詰めた。
その視線に気づいて、居心地悪そうにそっぽを向いた佳主馬がまた話し始める。
「大体、先生普段から意識低すぎ。」
「はい?」
「三年の先輩に頭揺さぶられて目ぇ回すし」
「あ、おとといの…」
「受け止められもしないくせに生徒に抱き着かせるし」
「え、昨日の?みてたの?」
「何もないところでこけるし」
「う、今朝はちょっと寝不足で…って、よく見てるね、池沢くん。」
キングは観察眼も違うのかなあ、とズレたことを考えている健二の内心を、その表情から何となく察して、佳主馬はとうとう声を荒げた。
「っ、怪我でもしたらどうするんだよ!!毎日毎日何回危ない目に遭ってるか、自覚あんの!?ないでしょ!!生徒なんかよりあんたの方がよっぽど危なっかしいよ!見てられない!先生なら、もっとしっかりしてよ!!」
言うだけ言って、はっと我に返った佳主馬の目の前で、驚いていた顔がすぐ笑顔に変わる。
「ごめんね。」
心配かけちゃってごめんね、と申し訳なさそうに眉を垂れる健二の表情に、たまらなくなった佳主馬は包帯を巻き終わった手首をぎゅっと強く握った。
痛みに少し息を詰め、それでも逃げずにじっとしている彼女を想って、浮かんだ言葉をぽつりと漏らした。
「…もっと、自分を大切にしてよ………」
痩せ過ぎの体、生徒一人支えられない弱い筋肉、細すぎる骨。
そのどれもが自分が好きで好きでどうしようもない健二なのだけど、いつか壊れて二度と動けなくなってしまうかもと思うと怖くてどうしようもない。
もっと気の利いた言葉は無いだろうか。親戚の伊達男たち、そう、たとえば理一あたりなら、もっとスマートに健二を労わって、喜ばせて、なおかつ注意を促すような、なにかとてもいいセリフでも思いつきそうな気がした。
勝手に悔しさを募らせ、自分自身に腹を立てる佳主馬の目に、赤くなった華奢な指が映り込む。
(…え?)
ふと顔を上げて健二と目を合わせると、さっきまで大人の顔をしていた彼女が真っ赤になって目を零れそうなほど見開いていた。
(え…!?)
とたんに自分も恥ずかしくなって、ほとんと反射で手を離す。
解放された手を胸元に引き付け、無事な右手でその甲を何度も擦りながら、健二はつっかえつっかえ、言葉を紡いだ。
「あ、あの……は、い…。」
わかりました、と消え入りそうな声で付け足した彼女につられて、佳主馬も耳を赤く染めた。
リトル・プリンス
( お后様のキングを名乗るにゃまだ早い。 鍛えよ! 足掻け! 青少年! )
「なんで健二さん、あんな顔してたんだろ…」
「…くっ、ぶふっ!」
「…なんで笑うの。」
「だってなぁ。これが笑わずにいられるか?理一!」
「佳主馬?」
「…なに。」
「お前ってほんと、恐ろしいくらいの素質の持ち主だねぇ。」
「ぶははっ!!」
「…褒めてないよね。」
「俺は至って真面目だよ。侘助おじさんとは違うから。」
「ぎゃははは!!」
*********************************
天然小磯さんすらノックアウトする破壊力の無意識タラシ、の片鱗を覗かせる池沢佳主馬十三歳。
健二さんは絶対自分に執着ないよね!あと愛され慣れてないよね!そんな女の人に「もっと自分を大事にして下さい」ってすごい口説き文句なんじゃない!?と思った私のあらわしが熱暴走しました。
ちなみに最後の会話はキングの保有するOZのプライベートチャットルームで、佳主馬と侘助と理一が会話してる図です。わかりにくいなあ。佳主馬は理一さんのこと、親戚いちのプレイボーイだと思い込んでそうだなという勝手な想像が…あながち間違いでもないと思うんだがどうだろう。
ちなみに個人的一番の見どころは、お姫様だっこしかったけど出来ずに俵担ぎする哀れな佳主馬くんでした。きっとこの日から筋トレ倍に増やしてるよキングがんばれ(笑)。
2009/10/27 サマヲ(カズケン・にょた) Trackback() Comment(6)
COMMENT
な、なぜにこんなにたくさんコメント頂いちゃってるんだろ…!ありがたすぎるんだぜ…!!
お返事させていただきまっす!
>みちこさま
なんと頼もしいテンションでのご声援!ありがとうございます是非一緒に熱暴走してくださぁあああい!!(迷惑)
しろいごはんおいしいですよね!でもカズケンはもーっとおいしいです!!言い知れぬコクと深み…噛めば噛むほど味が出る、ごはんのお供にカズケン妄想!定番です!
日参なんて恐れ多い!三日おきくらいで大丈夫ですよ更新遅いですし…!!
こちらこそ始終気持ち悪いテンションで申し訳ございません。とにもかくにも、ありがとうございましたぁああ!!
>名無しさま
ありがとうございます!可愛いと言って頂けると…!?こんな威厳の無いキングを受け入れて下さるあなたの懐の広さに心から感謝です!!
楽しかったと言って頂けることこそ一番の喜びです。これからももだもだ頑張ります。未来ですか合点承知!いきなり子供とかいても大丈夫ですか!(ぶっ飛びすぎ)
コメントありがとうございました!!
久しぶりに電脳空間をさ迷っていたら見つけました! うふふふふふ、これからも更新楽しみにしていますよ……!! にょ健二さん設定がすばらしく滾ります^^ さすが摩央さん素敵です! 愛してます!←←← それではv
天然タラシの恐ろしさ、味わいました^^;。
いやもー、可愛いんですがね。
怖いよキング、いつか健二さんの息の根止めるんじゃなかろうかW。
また通わせて頂きます~^^♪。
>まなさま
去る長月末のお祭りでは本当にお世話になりました!こちらまで見て下さるとは…!
旦では貴重なにょた同志様でしたが、カズケンはなんだかにょたにょたしているフィールドなのでとても安心感があります。お褒めのお言葉まで頂いてしまって恐悦至極!
コメントありがとうございました!
>Misagoさま
うおう二度目まして!天然タラシは怖いですよね!引いて見れば悲劇も喜劇。私は楽しいばっかりですが、健二さんはきっと恐ろしい思いをしていることでしょう。まんじゅうこわい、ああこわい。
いやいや適度に、ほんと適度に覗いて下さる程度でお願い致したく!(汗)そんな大したものはないので…。
コメントありがとうございまいした!
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わちしのあらわしも熱暴走です!
はじめまして!カズにょたケンにたぎって初コメです!
中学生日記のような初々しさかと思いきやキング流石ですキング…。ごはん3杯いけます!これはもう連載よろしくお願いしまぁぁあす!!!
アホなテンションで申し訳ありません。これからも毎日通わせていただきます!
みちこ 2009/10/27 06:11 EDIT RES