よろず二次創作文字書きブログ。 現在ＴＯＶのおっさんと青年に夢中。 更新は陸ガメより遅く山の天気より気まぐれ。

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2024/05/19

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ついったお題：映画タイトルで50題（２）

ついったでやっている「映画タイトル５０題」つづき。
ＴＯＶで消化したもの五編。
配布元：「a dim memory」さま（http://shinesky.yu-nagi.com/index.html）

今回は、

フレンとユーリ（がっつり映画ネタ）
エステルとユーリ（ほのめかす程度映画ネタ）
ユリシュヴァ（♀）（※捏造騎士団パロ）
ユリ（♀）レイ（※あくまでユリレイ、Notレイユリ。妊娠出産捏造子供ネタ含む）
ユリ（♀）レイ（※　同上）

という趣味に走りすぎラインナップ自分でもワロタ




 

一人は思った。
「この門を潜ったら、一切の甘えを捨てよう。思い出の全てと決別する覚悟がある」
一人は思った。
「この門を潜ったって、何も変わらないでいよう。かつての想いを忘れてしまわぬよう、俺は俺であり続けよう」
かくて門は開き、二人は足を踏み出した。

【青春の門：TOV／ユーリとフレン】





「風邪をひきます」
差し出された傘が雨粒を遮る。
ユーリは目を細めて水気の向こうに浮かぶ人影をとらえ、笑った。
「どうしたんです？」
「いや？」
ちょっと懐かしい思い出をな。
言って青年は自分に寄せられた傘を押し返し、その手を取った。
「宿まで走んぞ！」

【雨のアムステルダム：TOV／ユーリとエステル】





隊長主席の婿は騎士団内での評判の大層酷い男である。
部屋は汚い口は悪い、その悪い口より先に手が出て足が出て、上司受けは最悪、出世しそうにない。ついでに言うと浪費家で金も無い。良いのは顔だけ。
悔し涙まで流して別れるよう勧めてくる部下に、当の主席は死んだ目をして応えた。
「任務で疲れて帰ると早く休みたいという心情を欠片も察せず一斉に取り囲まれそれでも部下の労いを無下には出来んだろうと笑顔で応えていると団長閣下からの呼び出しがあって報告確認ついでの軽い挨拶程度のセクハラを受け流し内心泣きたくなりながら自室に帰ったら私物が数点無くなっていてもうやだこの騎士団今日こそやめてやる絶対出て行ってやる実家に帰らせてもらいます、と思ったところで実家が無いことに気付いてロープを探しているとやって来て胃に優しい食事と私の好物を乗せた盆をにっこり笑って差し出すと私がそれを頂く間に風呂を沸かし埃まみれのシーツを取り換え「おばさん疲れてんだろ？あとやっといてやるから入ってきな」とあたたまった風呂場に放り込まれ湯船で寝オチしたらベッドに運ばれ寝巻を着せられ耳触りのいい子守唄で寝かされてみろ。お前だって落ちる」
飯良し家事良し器量良し。
日々色々なものと戦う女にとって極上の好物件は、自分の強みを自覚した上で己を売り込んだらしかった。

【離婚しない女：TOV／ユリシュヴァ（♀）】





０年目とでも言おうか、そりゃあもうひどかった。
問答無用で襲われ乗られ（勝てません）、気が付いたら父親になるカウントダウンスタート。
１年目も戦いだった。
大きなお腹で勇ましく、少しもじっとしてない押し掛け嫁にハラハラさせられっぱなしで何度心臓止まると思ったことか。マジで寿命縮んだわ。
２年目もすさまじかった。
さすが青年の娘と言えばいいのか、生まれた時からパワフルで夜泣きはすごいし少しもじっとしてないし、目を離すとどっかいっちゃってラピードがくわえて戻ってきてはパパだけ取り乱して泣き喚いて当人けろり、ママは「心配し過ぎ」と呆れているという光景が毎日見られた。ひのい。
３年目もすごかった。
前年より機動力を増した娘様はあっちこっちふらふらうろうろ、以前にも増して目が離せなくなったんだけどおっさんがトイレ行ってる間に消えるのはやめてお願い。おちおち用も足せません。
そして奥さんは妹か弟をご懐妊。こっちの機動力は低下。いやあのおっさん悪くないのよ青年ｇ
そうしてなんだかんだあって４年目。
今年もドタバタするんだろうねえ、間違いなく。

「まーま？」
大きなお腹に頭をつけて首を傾げているお姉ちゃんは、最近覚えたての言葉を使ってしきりにママに問いかける。
慈母の笑みでそれに応える姿は、5年前からは想像もつかない穏やかさなんだけど…
「おぉ、そうだ。お前の弟か妹だぞ」
生まれたらいっぱい遊んでやるんだぜ、と頭をわしゃわしゃする仕草がいやに男らしく
「姉ちゃんになんだから強くならなくちゃな。剣の稽古、始めるか？」
「あい！」
「やめて!!!」
最近すっごくキラキラした目で母の剣さばきを見ていた娘に気づいてはいたけど、それでもそのフラグだけは立てさせてなるものかと一人孤独に静止の声を上げるおっさんは、何だかんだ言ってもパパとして立派に、それなりに幸せを噛み締めて生きておりますとも。
合掌。

【激動の1750日：TOV／ユリ（♀）レイ　※Notレイユリ（♀）】





日和っている。
というか、枯れている？
「縁起でもないこと言わないでちょーだい!!」
おっさんは涙流してさすがに怒った。
だってあんたから全然来ないじゃん、と続ければ、
「いやあの…おっさんの体力常に０かマイナスなの、ユーリちゃんわかってる？」
誰の所為ってそりゃあんたの歳の所為、と切り返す。
泣いた。
今度は怒らずに泣いた。
「ひのい…おっさんこれでも頑張ってんのにぃ……」
頑張ってあれかよ、と言うと首を吊りそうな勢いなので、仕方なく背中を撫でてやる。
夫婦生活は妥協で成り立つのだとは世話になっていた下町の宿屋の女将さんの助言だ。俺だって多少は我慢してやらねば。
「ま、あんたまだまだ忙しいしな。よくやってくれてるよ、うん」
棒読み、と恨めしげに睨んでくるおっさんが可愛くて、ちょっといじめたくなった。
「でもあんま情けないトコばっか見せてっと、あいつに嫌われんぜ？」
俺に似て強い男にしか興味ないから、と笑ってやると、途端目の色が変わった。
「あの子にはまだ早い」
「いや、そりゃそうだｋ」
「早い。ユーリが何と言おうとそんな話題まだ早い。てゆか嫁になどやらん」
もし万が一その日が来たら、相手を完膚なきまでに打ち倒して叩きだしてやる、とまで言うわりには、目の焦点が合ってない。
「…心配し過ぎだっての」
あんたの言うとおりそんななぁ遠い遠い未来の話で、庭で駆けずりまわっているあの子はラピードの尻尾にじゃれついて泥だらけになってキャッキャと笑っている始末。
近所でも評判の「元気な男の子」扱いだというのに。
ぶつぶつと物騒な口調で物騒なことを繰り返すだめな父親の頭を抱いて、言葉と裏腹に弱り切った色を浮かべる目の、薄い目蓋にキスしてやる。
「あんたにゃ俺がいるだろ。それだけじゃ不満か？」
「…だってぇぇええ………」
情けない調子に戻り、腰にかじりついて再度泣きだした夫の頭を撫でてやりながら、まだまだ現役じゃん、とほくそ笑んだ。

【いつかギラギラする日／TOV：ユリ（♀）レイ＋捏造娘】

2011/01/26 TOV（ユリレイ・レイユリ） Trackback() Comment(0)

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