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佳主馬♂(13)×健二さん♀(16)のにょた話です。
映画、というか小説の設定とほぼ同じで、「夏希せんぱいは男嫌い故に彼氏役を男っぽい名前の小磯さんに頼んじゃったZE★」というスタンダードなにょた設定ですいちおう…。
でもぶっちゃけおにゃにょこと少年の絡み(文字通り)が書きたかっただけです。
以上、前振り長い割に短いよ!先に謝っとこう。ごめんなさい!
OZの大混乱の後、離れたスポンサーが戻ってきたり新しく契約したいという輩が連絡を寄越したりOZの管理部から詳しい話を聞かせろと要求されたり膨大な数のメールが殺到したりして、佳主馬のメールボックス(OZ営業用)は開いて一秒でうんざりするような有り様になってしまった。
それでもプロとして、無視したり読まずに削除したりできるわけがない。
同じようなおべっかや時に高圧的な文面の有象無象にすべて目を通し、おざなりにでも返信していく。
いくら中学生離れしているとはいえ佳主馬とてまだ13である。本当なら日中にさっさと終わらせて夜はぐっすりといきたいところだが、「あらわし」の墜落で、全倒壊は免れたものの一部を破壊された家の片付けも手伝わねばならない。
もし現状を周囲に告白すればみな気遣って「そっちを先にやっておいで」と片付けの人手からは外してもらえたかもしれないが、家族がみんなで必死に家のことをしている時に自分の用事を優先するような気は、佳主馬には毛頭なかった。自分の作業は自然後回しに、疲労しきった夜から朝方にかけて行うことになる。
自分のすべてを出し切った大騒動から休む間もなく数日間、こんな状況で、さしものキングもそろそろ限界を迎えつつあった。
ぶっちゃけて言うと 壮 絶 に 眠かったのである。
「佳主馬ー、佳主馬!ちょっと来てちょうだい!」
「…なに?」
だるい足を引き摺って、佳主馬は己を呼ぶ母の声のする方へと近づいた。
覗き込んだ台所、身重の母が大きな木箱を持って動きにくそうにしているのを目にすると、億劫そうに丸まっていた背が心なしかすっと伸びたように見える。
「悪いんだけど、この中の割れたお皿、新聞紙にくるんじゃってくれないかしら?」
次の粗大ごみの日に出す予定なのだろう、家が揺す振られた時に台所で割れたいくつもの皿が納められた木箱を受け取って、予想外の重さに数歩よろめく。
「あらら、大丈夫?」
苦笑を浮かべた母に少々むっとして「平気」と返すと、木箱をしっかり抱えなおして隣の座敷へ入った。
ひとまず部屋の隅に箱を置き、万里子を探して屋敷の中を回る。
古新聞を出してほしいと言うと、忙しく動き回っていた彼女は合点がいったようにどこかへ消え、すぐに数日分の古新聞を持ってきてくれた。
座敷にもどり、新聞を開いて、その上に木箱に詰まっていた陶器の欠片を一つずつ置いていく。
慣れない最初は一枚に小さな破片を一つずつ包んでいたが、慣れてくると要領を得、新聞一枚で皿一枚分程度の欠片をまとめてくるめるようになってきた。
淡々と作業をこなす佳主馬の瞼が、まるで鉛にでもなったかのようにいきなり重くなった。
(……眠い)
ビ、とセロテープを切る手がもたついて、歯にうまくかからずに、妙な切り口で無理に引っ張った端がくっついてしまう。
それを手で丁寧に剥がそうとも思えないほど、猛烈な眠気が佳主馬を襲った。
こういうとき、単純作業はよくない。ひしひしとそう思う。
眠気は増すばかり、作業はまだまだ終わらない。それでもやめるわけにはいかない。
ゆらゆらと体が左右に揺れ始めてもまだ、佳主馬の手は止まらなかった。
と、
「佳主馬くん?」
座るすぐ横の襖の向こうから、高く、やわらかい声が響いた。
眠い目のまま、それでもほぼ反射ではっと顔を上げる。
「あ、やっぱり佳主馬くん。何してるの?」
戸の端からひょっこりと覗き込んだ彼女の笑顔がキラキラ光って見えたのは、後光の具合とひどい眠気と誰にも言えない恋心のせいだ。
やけに冷静に、佳主馬は己のフィルターの内訳を分析した。
とたとたと軽い足音で寄ってきて、佳主馬の横へ膝をついた健二は、質問の答えを勝手に見つけてしまったようだ。自分も新聞に手を伸ばそうとして、ちょっと止まって、一言もなくぼーっと彼女を見つめている佳主馬に目を合わす。
「僕も手伝ってもいい?」
首をちょっと傾げて、ふわりと笑う健二は
逆光もなくなったのに、さっきより輝いて見えて
さっきよりずっと近くて、
ああ、天使がいるならきっと健二さんみたいなんだろうなあ、と
思った途端、佳主馬の意識はブラックアウトした。
「ぁ、ぅわあああああぁぁぁああ!?」
悲鳴に続いてガシャンと小さくガラスの割れるような音がして、聞きつけた聖美と夏希、理一が足早に座敷へ集まってきた。
「どうした?」
「何かあったの?」
「健二くん!?どうし…」
ばらばらの方向から集まってきた三人は、座敷の片隅の光景に一様に固まった。
「あっ、みなさん!!どどどうしましょう佳主馬くんが!!!」
涙目で真っ青になって仰向けに転がる健二、の上に覆い被ってぴくりともしない佳主馬。
ぽかんとする大人二人に先駆けて我に返った夏希が、声を荒げて白いタンクトップの肩紐をがっと掴む。
「何やってるのよ佳主馬!!健二くんから離れなさい!!」
そのまま引きちぎらんばかりの力で引きはがそうとすると、「いやいや」をするように健二の胸元で首を振り、離されまいとするかのように、両手で細い体に抱き着いた。
「佳主馬!!!」
噴火しそうな勢いで怒鳴る夏希の後ろ、未だに目を丸めている理一の横で、聖美がぷっと噴き出し、そのまま盛大に笑い始めた。
赤くなったり青くなったりしていた健二も怒髪天の夏希も事態を飲み込めていない理一も、一斉に彼女を見つめる。
「やだわ、この子ったら!」
あははは、と大きなお腹を抱えて心底おかしそうに笑う聖美は、団子になった三人に近づくとそっと佳主馬の頭を撫でた。
「ごめんね健二ちゃん。この子、寝るときにうつ伏せになって、何かにしがみつく癖があるの。」
「え!?」
「え…?」
「あ、そういえば。」
やっと発言した理一がぽん、と手を打った。
「佳主馬は一度寝入るとちょっとやそっとじゃ起きない上に、いつもお気に入りの毛布にしがみついてたなぁ。聖美さんに抱かれながら寝ちゃうと服を掴んで絶対離さないし。夏希も覚えてない?」
「……あ。」
言われてよみがえったのは、佳主馬をみんなでオモチャにした遠い日の記憶。
翔太や了平といっしょになって、寝入ってしまったまだ幼児の佳主馬から抱え込んだ毛布を奪えるかどうか、三人がかりで引っ張ったり叩いたりして大人たちにこっぴどく叱られた思い出だ。
今思えば申し訳ないことをしたような気もするが、子どもというのは得てして残酷なものだし、うん。時効時効。
怒りに気まずさがにすり替わった夏希は、ぱっと佳主馬のタンクトップを引く手を離した。
「ここ二年くらいはなくなってたんだけどね…よっぽど疲れてたのかしら、この子。」
幸せそうにしちゃって、と頬をつつく母の指から逃げるように顔を背けると、佳主馬はいっそう強く健二の華奢な体を抱き締め、そのあるんだかないんだかぱっと見分からない、ささやかすぎるくらいささやかな胸にぎゅーっと顔を押し付ける。
これにはさすがの健二もはわわ、と顔を赤くしてもぞもぞと身を捩った。
「健二くんが毛布代わりか。」
理一が聖美のしゃがみ込んで、引き攣り笑いを浮かべる健二をにっこりと覗き込む。
微笑ましくまたいとこを囲む二人の後ろで一人むすっとしていた夏希は、両手で拳を作って叫んだ。
「ずるい!わたしも健二くんにくっつきたい!!」
彼女に「我慢してあげなよ」と返す理一の横顔を見ながら、話の流れから「え、僕このままなのかな」と察した健二は、無意識に佳主馬のさらさらの黒髪をくしゃりと撫でていた。
石鹸のにおい
それからなんだかわからない、嗅いだことのない、けれども懐かしいにおい
なんだろこれ、と鼻から肺いっぱいに空気を吸い込んで、また吐き出した。
分からないけど、嫌いじゃない。
嬉しくなって鼻先を擦り寄せると目の粗い繊維の感触がして、ぺたりと頬をくっつけるとあたたかさを感じた。
耳の奥で、どく、どく、と低い音が聞こえる。
自分の血の流れる音のようでもあったが、それにしては音がはっきり聞こえすぎる、大きすぎる。
何の音だろうと耳を更に押し付けると、どくん!と一際大きな音がした。
(なんだろ…)
音の感覚は短くなったが、しばらくするとまた落ち着いてくる。
それから背中をさする誰かの手を感じて、はぁ、と息を吐いた。
(あったかい)
なぜだかわからないが、すごく安心する。
修行のあとによく自分を労わってくれる師匠とも、最近頭を掻きまわした父とも違う、やわらかくて小さな手の感触。
今じゃ滅多に自分を撫でることのない、母の手に一番近いかもしれない。
(もっと)
もっと感じていたくて、ぎゅっと抱き締めた。
その時、自分が何かに抱き着いているのだということに気付く。
(…なに……?)
背中をさすっていた手がそろそろと移動して頭を撫でたのを合図に、佳主馬はとろりと目を開いた。
「あ。おはよう、佳主馬くん。」
至近距離で起きぬけに密かに(と思っているが家族の半分にはバレている)慕っている年上のおねえさんの微笑みを目にして、若干十三歳の王者の頭は真っ白になった。
「すごくよく寝てたね。もう体つらくない?」
照れたようにちょっと目元を赤らめてたずねる健二の息が鼻先に掛かって、さらりともう一度髪を撫でられて、
佳主馬は今まで誰も聞いたことのないような声を上げて、その場から逃げ出した。
天使のゆりかご
(至上、最高、絶対の安眠をお約束します)
「あの時の佳主馬の絹を裂くような悲鳴、街まで聞こえるかと思ったわよねー。」
「いつまでそれ蒸し返すつもり!!?何年前の話だよ!!」
「そーそー、まるで悪漢に襲われる生娘のような。」
「襲われたのは健二くんだっつーのになぁ。あんまり大声で叫ぶから目ェ回してたし。」
「おっ、襲われたなんてそんな」
「おや、じゃああの頃から満更でもなかったと」
「いい加減にしろエロ親父!!!」
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ナイムネにぐりぐりする抱きつき癖がある佳主馬とおとなしく抱かれてあげる健二さん(おにゃにょこ)さえ書ければそれでよかったという。
きっと死ぬまで酒の肴にされると思うよキングがんばれ(^^)
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