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- Newer : 天使は行方不明
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音信不通になったまま何カ月も放置してしまい申し訳ございませんでした。
私事がたてこんでいたのと、まだまだ立てこみそうなのとで今後も数カ月は更新が滞ってしまうことと思います。
が、最近またメインジャンル以外の新規作品に浮気してしまったので、近いうちにこのSWブログにその作品のカテゴリができているかもしれません。熱がどの程度なのか見極めている状態でして…。ある日突然このブログがSWブログではなく、完全よろず別館に様変わりしている可能性もあります。
が、続きものと先生をきちんと描ききるまではSWジャンルでの執筆を続けたいと思っておりますので、まだSWジャンル閉鎖の意思はありません。
こんなふざけた状態で本当に申し訳ございません。
お付き合い下さるという心やさしい方々がもしいらっしゃいましたら、今度ともよろしくお願いいたします。
以下、お待たせしてしまった続き物の二話目を格納↓
さて、もうそろそろ昼ごはんの時間である。
来客があったし、当初予定していた素麵のみというメニューにするのも気が引ける。
仕方がない、ちょっと手の込んだものを作るか。確か材料はたっぷりあったはず。
健二はそこまで瞬時に考えをめぐらすと、にこりと笑い、宣言した。
「佳主馬くん、お願いね」
有無を言わさぬ迫力に圧されて、佳主馬ははいも言えず、切れ長の目だけを恨めしげにしてみせ、そのまま足元でもごもごと靴ひもを解いている小さな頭を見下ろした。
「…くっ、」
ふと、小さな声が聞こえた。
健二は流れる水を止めて、おやと顔をリビングへと向ける。
恋人のあんな悔しそうな声を聞くのは久しぶりだ。
長く付き合ってきて、互いに互いを知っていくうち、関係はどんどん穏やかになっていった。今では声を荒げて喧嘩することも、悔しくて泣きじゃくることもない。佳主馬は未だによく拗ねたそぶりで甘えたりするが、それは本気ではない。と健二は勝手に思っている。
妹さんの子守り経験も豊富でなんでも卒なくこなすというのに、一体何があったのだろうか?
少し気になって、出来あがった料理を盆に並べつつ耳をそばだてた。
「こいこいは!?」
「しない。」
「…勝負してこいよ。」
薄い壁の向こう、扉の無い戸口を通ってこちらへ聞こえてくる声とその内容に、健二はとうとう小さく吹き出した。
「大人げないの。」
くすくすと笑みを漏らしながら戻ってきた恋人に、佳主馬は八つ当たり気味に不満を述べた。
「だって、コイツの戦法えげつないんだよ。」
「こーんな小さい子に花札で勝負吹っ掛ける佳主馬くんの方がえげつないよ。」
「それは!トランプよりこっちがいいっていうから…!!」
子守りを任された佳主馬は最初、TVを点けて子供番組を流したのだが、それを一目見た子供の目は一瞬ですうっと色を変えた。その反応に、佳主馬は心当たりがあった。
冷め、「子供」を典型の偶像でしか捉えられない「大人」への失望を含んだ目。
それはかつての自分と同じ目だった。そう思うと同時に、佳主馬は子供を勝負に誘っていたのだ。
「っそ…おい、もうひと勝負。」
「しない。」
床に胡坐をかいて忌々しげに札を見ていた佳主馬の要求の言葉に、涼やかな声が返る。
「は!?」
「つぎのしょうぶは、しない。」
健二はおやと思った。玄関先で出迎えたときとは別人のようにキラキラと輝く瞳は至極楽しそうで、涼やかな声もどこか興奮で弾んでいるように聞こえた。
「かちにげさせてもらうから。」
言って、初めて子供が笑った。
侘助によく似た表情で彼がいつも口にするセリフを発した小さな唇が、にんまりと歪んでいる。
人を小ばかにしたようでいてどこか虚ろな笑顔に、健二は何か、ぼんやりとした物思いを抱える。
この子は侘助さんのの子じゃないかなあとは思っていたけど、なるほど確かに間違いなさそうだ。確信に近い想像と共に、何かそれ以上のものが頭の中でもやもやと形を作りそうで―――――どうもまだまとまりそうにないので、あっさり思考を放棄した。
「さ、一区切りついた事だし花札終わり!おなか減ったでしょ?もうお昼だよ。」
「お、うまそう。」
「今日のお昼はオムライスでーす。あおいちゃんは、オムライス食べれる?」
いきなり話を振られた子供はきょとんと瞬いてみせたが、健二の抱えた盆に載ったふわふわとした黄色い塊に、ごくっと唾を飲んだ。どうやら嫌いではないらしい。
こくんと頷いた子供に自然笑顔になって「おかわりもあるから、足りなかったら言ってね」と声をかけつつ、健二はてきぱきと配膳を終えた。
「じゃあはい、手を合わせて?いただきまーす。」
「いただきます。」
「…ぃただきます。」
あ、お行儀いい。
まだ短い脚をまとめてちょこんと座り、ぼそぼそとした声ながらきちんと挨拶をした子供と、目の前で胡坐を組んでガツガツと大量のオムライスを見る間に胃袋へ納めていく佳主馬を交互に見て、自分もスプーンを手に取った。
「けんひはん、おかぁひ。」
「…………飲みこんでから言ってよ。」
もごもごと口を動かす恋人が可愛くないわけでは決してないのだが、ちまちまひよこがエサをつつくように卵を食べている子供と比べると、随分大きくなってしまったものだと変な感慨が襲った。
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話が進んでないですが、二話目はこんなかんじで。
ようじょがちょっとなじみました。
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2010/02/14 サマヲ(カズケン) Trackback() Comment(0)
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